
外国人雇用の流れとは?6ステップで分かる制度と準備
「外国人雇用を考えているけれど、何から手をつけて良いか分からない」「漠然と興味はあるけれど、どこから情報を集めたら良いのか…」。そうお考えの経営者様や人事担当者様のために、今回は外国人雇用の全体像を6つのステップで分かりやすく解説します。
STEP1: 必要な人材像を明確にする
まず、自社にとって「どういう人材が必要なのか」を具体的に考えましょう。
よくある失敗パターンは「人が足りない」「日本人の採用は難しい」「外国人は今増えてるって聞いた」といった場当たり的な理由での外国人雇用です。このような動機ではミスマッチの可能性が高まってしまいます。
外国人にとって日本で働くことは「海外で生活・仕事をする」という人生をかけた大きな決断です。
文化や慣習、価値観が異なる人材が加わることは、組織に新たな視点をもたらし、多様性を育む素晴らしい機会となります。一方で、既存社員との間に認識のズレが生じ、摩擦が起きることもあります。
外国人雇用を成功させるには、自社の事業計画と照らし合わせながら以下の点を明確にすることが成功の鍵となります:
- どういう人材に働いてほしいのか
- どのようなポジションで活躍してもらいたいのか
- どんなスキルや経験を求めるのか
- 将来のキャリアパスはどう描くか
STEP2:適切な在留資格を特定する
人材像が明確になったら、それに対応する在留資格が何かを確認しましょう。
外国人が日本に滞在し、就労するには「在留資格」が必要です。在留資格によって、就労可能な業務範囲や活動内容が決まります。
希望する人材にマッチする在留資格をきちんと特定することが、採用成功のカギとなります。

STEP3:採用活動を行う
在留資格が特定できたら、いよいよ採用活動をスタートします。
自治体や商工会議所、地域の労働局(厚生労働省の地方機関)などでは、外国人向けの就職フェアや企業説明会などを開催していることもありますので、積極的に活用しましょう。
STEP1・STEP2で方向性をしっかり定めておけば、在留資格に振り回されず、自社に合った人材を採用できます。
逆に、制度を理解せずに進めると、在留資格ありきの採用になってしまい、ミスマッチのリスクが高まります。
STEP4:在留資格・人材に応じた社内準備
在留資格によって、企業側に求められる準備や義務は異なります。
例えば、「特定技能」の場合、企業は、外国人材に対して生活オリエンテーション、住居確保の支援、日本語学習支援など、法令で定められた支援計画を策定し、実施する義務があります。この支援は自社で行うことも、登録支援機関に委託することも可能です。これらの支援を怠ると、法令違反となる可能性もあるため注意が必要です。
在留資格によっては日本人と同様の手続きだけでは法令違反となる可能性があるため、適切な対応が求められます。
また、在留資格に関する準備以外にも、スムーズな受入のために社内環境を整えることが推奨されます。
就業マニュアルの整備や、日本語が分かりやすい職場環境の構築、場合によっては就業規則の見直しも必要です。例えば以下のようなものです。
- 業務マニュアルの整備
- オペレーションの見直しや改善
- 就業規則の修正
こうした準備は一見手間に感じるかもしれませんが、結果的に既存社員や日本人の新入社員にとっても働きやすい環境になることが多く、組織全体にとってプラスになります。
STEP5:受け入れ開始
採用が決まり、必要な準備が整ったら、いよいよ外国人の受け入れです。
ここからが本当のスタートとなります。
STEP6:会社の成長や本人の状況に合わせた継続的な運用
受け入れが完了しても、それで終わりではありません。具体的には以下のような対応が求められます:
- 定期的な在留資格更新手続き
- キャリアアップに応じた在留資格変更
- 法定の各種届出業務
- 外国人材の状況変化(結婚、家族の事情など)への柔軟な対応
- 事業拡大に伴う新たな在留資格の検討
- 永住権取得に向けた長期的サポート
企業の成長や本人の状況に応じて、柔軟かつ法令に沿った対応を継続していくことが大切です。
まとめ
今回は、外国人雇用の全体像を6つのステップでご紹介しました。
外国人雇用は単なる労働力確保の手段ではなく、企業の持続的成長を支える重要な経営戦略です。
- 制度や在留資格が複雑で分からない……
- 自社に合った制度はどれなのか相談したい……
そんな時は、お気軽に当事務所までご相談ください。在留資格選定から申請、運用まで一貫してサポートいたします。
