
地理的表示(GI)とは?輸出ビジネスで活かすブランド化・差別化の戦略ガイド
「GIマーク(地理的表示:Geographical Indication)」をご存知でしょうか?
これは地域ブランドを守り、輸出ビジネスにおいても競合との差別化に有用な制度です。
日本国内では徐々に認知が広まりつつありますが、海外ではまだ知名度が低いのが現状です。しかし、輸出を見据えたビジネスにおいて、商品の信頼性向上や差別化を図るための強力なツールとなり得ます。
GIマークってどんな制度?
GI(地理的表示)とは、「この地域ならではの特別な農林水産物や食品であること」を国が認め、守る制度です。登録された製品には、認証の証として「GIマーク」を表示することができます。

たとえば、特定の気候風土や伝統製法によって作られる「梅干し」があったとします。代々受け継がれてきた技術や地域の特性が詰まった逸品で、「あそこの梅干しは格別!」と地元で評判の味。
GI制度では、こうした地域特有の価値を持つ食品を「本物」として登録し、不当な模倣や産地偽装から保護します。
なぜGI制度があるのか?
GI制度が導入されている理由は、大きく2つあります。
1. 偽物を防ぐため
実績ある産地名を勝手に使った模倣品の流通を防ぎ、消費者の誤認を防止します。
2. 本物を守り、価値を高めるため
本来の生産者がきちんと評価され、ブランド価値を活かして適正な価格で販売できるようになります。
消費者にとっても、「GIマーク」があることで、「これは安心して選べる本物だ」と一目でわかる便利な指標になります。
どんな商品がGIに登録されているの?
有名なのは「夕張メロン(北海道)」や「飛騨牛(岐阜県)」です。
兵庫県では、以下の地域ブランド産品がGIに登録されています。
- 神戸ビーフ
- 但馬牛
- 佐用もち大豆
- 淡路島3年とらふぐ
- 揖保乃糸
また、登録された原材料を使って製造された加工品(例:ジャムやお酒など)についても、一定の基準を満たせばGIマークを表示することができます。
GIは輸出ビジネスにも活用できる
GIマークは、その地域で生まれた確かな品質と伝統の証です。海外市場でも、「日本の国が認めた本物の地域ブランド」として差別化につながります。
ブランド戦略や価格競争力の向上にもつながる、輸出事業者にとって非常に有効な制度です。
当事務所ではGI取得・表示のサポートも行っています
地域資源を活かした商品をお持ちの方、地域ブランドの輸出を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
GI登録の申請サポートから、制度活用のアドバイスまで対応可能です。
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