【AI World 2025 レポ】輸入法務の未来はどう変わる?AI World 2025で感じた「効率化」と「オーダーメイド」の両立

2025年12月17日から19日まで、大阪で開催された「AI world 2025」へ行ってきました。

AI活用の展示会・EXPO|AI world 2025大阪冬

「リーガルテック(法律×IT)分野においてAIの進化は著しい」と言われており、契約書の作成や管理の在り方は変化の過渡期です。

「AIがあれば、もう専門家は不要なのではないか?」そんな声も聞こえてくる昨今ですが、今回は展示会で目にした最新ツールと専門家の活用法について、実務家としての率直な感想をレポートします。

2025年最新、注目のリーガルテックたち

今回の展示会では、契約書の作成・管理を変えるサービスが多数紹介されていました。

代表的なものをいくつかご紹介します。

  1. LeCHECK(株式会社リセ):法律要件との照合しレビュー。リスク箇所の変更案をAIが提案。
  2. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社):電子署名・保管のスタンダード。契約締結のスピードアップと紛失リスク低減。シェア率が高い。
  3. Hubble(株式会社Hubble):チーム内コミュニケーション管理による生産性向上に強み。
  4. BoostDraft(株式会社BoostDraft):細かな修正作業の効率化を支援。Word上で動作するので従来の業務フローの変更が不要。
  5. コントラクトワン(Sansan株式会社):OCR(読み取り)と「人の目」を組み合わせて99%の精度を誇るデータ化に強み。インターフェースが優れていて分かりやすい。

これらのツールに共通しているのは、「AIは、人が苦手なルーティンや管理作業を完璧にこなしてくれる強力なパートナーになった」ということです。

AIが圧倒的に得意な「4つのこと」

展示会を通じて再確認したのは、以下の4点において人間はもうAIに勝てない、ということです。

(1) 「なぜ変えたか」の記憶(コミュニケーションの蓄積)

上司に『ここ、〇〇にして』と言われて修正したのに、後日同じ上司に『なんで〇〇になってるの?』と聞かれた経験ありませんか?

私自身、会社員時代によく経験しました。

(…課長の指示で修正したのに。)

ですが、AIツールなら、いつ、誰の、どんな意図で修正されたかを全て記録できます。

誰が見てもどういう経緯で作られた条文なのかが一目でわかることは社内コミュニケーションを向上させることは間違いありません。

社内の「言った・言わない」を防ぎ、チームの透明性を高めることができます。

(2) 新旧対照(変更箇所の即時比較)

複雑な契約書の場合、何十回と修正をすることもあります。

膨大なページの契約書の「どこが変わったか」を人間が探すと、どうしても見落としが出ますが、AIなら一瞬で、ミスなく抽出します。

これは人間にはできないことだと思います。

(3) 電子署名による省力化・スピード化

電子契約は今後ますます盛んになってくるかと思います。

紙の郵送、印紙代などをカットでき、締結までの時間も短い電子契約は、リスク管理の面でもはや必須と言えます。

(4) クラウド保管

物理的なスペースを取らず、必要な時にキーワード検索で契約書を見つけ出せる利便性は圧倒的です。

「A社との契約書どこいった?」と社内を探し回る必要もありません。

キーワード検索機能が優れたツールも多く、クラウド上ですぐに探すことができます。

担当者が変わってもタイムロスなくシステム内で誰でも簡単に探すことができ、企業にとっても現場の担当者にとっても大きなメリットがあります。

結論:AI活用は必須。そのうえでの専門家活用へ

管理・運用についてはAIの活用は必須です。
ただ、「契約書を戦略的に作る」という点でいうと、現時点ではAI「だけ」で完結させるのは大きなリスクを伴うと感じました。

その理由は主に以下の2点です。

(1) 「未来」と「前例のないビジネス」への対応

基本的にAI(LLM)は「過去」の学習データに基づきます。

しかし、輸入ビジネスのように「法改正でこれから変わる規制」や、「まだ前例のない最新のビジネスモデル」への対応においては、AIは「完璧」といい難いと感じます。

新旧の法律の差分をどう実務に落とし込むか、といった「判断」までをAIに任せるのはまだまだ難しいように感じました。

(2) ビジネスの「行間」と「守りどころ」の調整

契約書は、単に法律のパズルではありません。

「今回は相手との関係性を重視して少し譲歩したい」「逆に、ここは絶対に譲れない防衛線だ」といった、お客様ごとの個別の事情や戦略・勝負どころをAIが汲み取って契約書に落とし込むことも、まだまだ難しいと感じました。

とはいえAIの分野は日進月歩です。
今日は無理でも、明日はできるようになっているかもしれません。

当事務所のスタンス:お客様の価値の最大化にフォーカスします

展示会で最先端の技術に触れ、「AIが得意なことはAIに任せ、人間は人間にしかできない価値に集中すべき」という考えが強まりました。

当事務所では、お客様の価値の最大化を第一に、AIやツールなど使えるものは使ってサポートしてまいります。

(1) 「仕組み化」できる部分は徹底的に効率化する

輸入許認可の手続きには、「初回は大変だが、2回目以降は反復作業」というケースが多々あります。

そのようなマニュアル化できる手続きについては、AIやデジタルツールを活用して徹底的に効率化・仕組み化します。

そして、どなたでも再現できる状態でお客様へ納品することで、お客様のコストと時間を最適化いたします。

(2) 「人間にしかできない」核心部分に全力を注ぐ

AIやツールに任せられる部分を切り分けることで、私は専門家として本当に必要な「人間にしかできない価値」の提供に全力を注ぎます。

  • 深いヒアリング: お客様のお話を丁寧に伺い、法令知識と照らし合わせて表面化していないビジネスのリスクを洗い出すこと。
  • 利益の最大化: 単なる法律の枠組みを超え、お客様のビジネスの成功と利益最大化につながる提案を行うこと。

AIをパートナーとして賢く使いこなしつつ、最後の手綱は人間がしっかりと握る。これが、現時点での正しい契約・法務の在り方だと考えています。

(3) 「オーダーメイド」の法規制対応

輸入ビジネスにおいては、過去の事例をベースにした定型的な売買契約書だけでは不十分なことが多々あります。

個別の製品を規制する法律(薬機法や食品衛生法など)の内容を、個別の商流・取引状況に応じて、契約に確実に盛り込む必要があるからです。

当事務所では、AI任せの定型的な対応ではなく、お客様の将来をイメージしながら「オーダーメイド」の契約書作成や許認可手続きを行い、法規制リスクをカバーします。

(4) 日々研鑽し、お客様と共に歩む

今回の「AI World 2025」への参加もそうですが、法令知識のアップデートはもちろん、AI活用に関する最先端の情報も日々学び続けています。
すべては、目の前のお客様の価値を最大化するためです。

もし輸入ビジネスの法務・手続きで迷われた際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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やすだ行政書士事務所
輸出入専門特化型行政書士事務所の安田俊子(特定行政書士)です。 10年以上輸出入業務に携わってまいりました。輸出入関連許認可(食品、お酒、医療機器、化粧品、電気用品など)やEPAの活用を中心に、各種許認可・補助金申請を取り扱っております。お気軽にご相談ください。
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