輸入食品に関する国の監視体制―「輸入食品監視指導計画」とは?
食品を輸入する際に避けて通れないのが、「モニタリング検査」などによる安全性チェックです。
こうした検査の実施方針を定めているのが、厚生労働省が毎年策定する「輸入食品監視指導計画」です。
この計画では、輸入食品の安全性確保のための枠組みを定めています。
この制度は、食品衛生法第23条に規定されています
厚生労働大臣は、指針に基づき、毎年度、翌年度の食品、添加物、器具及び容器包装の輸入について国が行う監視指導の実施に関する計画(以下「輸入食品監視指導計画」という。)を定めるものとする。
どんな内容が書いてる?
輸入食品監視指導計画は、厚生労働大臣が毎年度策定・公表する、輸入食品の安全確保のための基本計画です。
計画には、主に次のような内容が定められています。
- リスクが高い食品や国・地域に重点的に監視を行う方針
- 輸入事業者への衛生管理の指導
- 監視・検査を効果的に実施するために必要な事項
モニタリング検査の方針にも
この計画に基づき、検疫所では「モニタリング検査」が行われます。
これは、違反の可能性が低い食品について、年間輸入量や過去の違反歴をもとに無作為抽出して行う検査です。
検査の結果に応じて、必要があれば「命令検査」(毎回検査)に切り替えられることもあります。


各都道府県でも計画あり
輸入食品監視指導計画(第23条)は国(厚労省)が策定しますが、各都道府県も第24条に基づき「食品衛生監視指導計画」を毎年策定しています。
都道府県知事等は、指針に基づき、毎年度、翌年度の当該都道府県等が行う監視指導の実施に関する計画(以下「都道府県等食品衛生監視指導計画」という。)を定めなければならない。
その中には輸入食品の監視に関する地域独自の重点項目が含まれています。
自社が扱う品目や原産国が重点監視の対象になっていないかを把握しておくことで、書類準備や検査対応をスムーズに進めることができます。
また、自治体によっては輸入事業者向けの相談会や支援策も実施しています。


専門家の活用もご検討ください
国や各都道府県が出している「食品輸入」に関する情報には以下のようなものがあります。
- 厚労省が策定する「輸入食品監視指導計画」(食品衛生法第23条)
- 各都道府県が策定する「食品衛生監視指導計画」(食品衛生法第24条)
これらを事前にチェックしておくことで、行政がどのような点に重点を置いて監視しているかを把握でき、輸入準備や検査対応をスムーズに進めることができます。
ただ、資料は膨大ですし、食品輸入業務をこなしながら読み解くのは容易ではありません。
そんなときは、外部の専門家の活用もご検討ください。
当事務所では、行政が発表している情報や法律を噛み砕き、将来のビジネスに役立つ形で分かりやすくご提供しています。
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