【2025年12月公開】令和5年度PSE試買テスト結果を解説!輸入事業者が注意すべき「不適合」の実態とは?

経済産業省が毎年実施している「電気用品試買テスト」の最新結果が2025年12月に公表されました。

ここでは、その結果と輸入者が注意すべきポイントをまとめています。

「試買テスト」は市場で実際に売られている製品を国が買い上げ、チェックするものです。いわゆる電気用品の「抜き打ちテスト」です。

試買テストについて詳しく
試買テストで分かるPSE製品の義務と違反リスク
試買テストで分かるPSE製品の義務と違反リスク

1. 輸入製品の技術基準「不適合率」の実態

令和5年度(2023 年度)の試買テストでは、全体で165機種が対象となりました。
例年160~170機種がテストされていますので、対象機種数は例年どおりです。

そのうち138機種(約84%)が輸入製品で、試買テストでは輸入品を中心に検査されていることが分かります。

実際、輸入製品の不適合数は国内製造製品よりも多く、試買テストでは国が「輸入品の安全性」を重点的にチェックしていることが分かります。

電気用品については、種類ごとに「技術基準」という安全性の基準が定められています。
この基準を満たしていないものは、試買テストにおいて「技術基準不適合」とされます。

「技術基準不適合」ということは、安全性の基準を満たしていないので、使用する一般消費者が怪我や事故に巻き込まれるリスクがあり、大変危険です。

技術基準について
はじめての電気用品輸入|電気用品安全法とPSEマーク取得に必要な手続きを行政書士がわかりやすく解説
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令和5年度は、対象機種数が165機種のうち、技術基準不適合機種が67機種でしたので、技術基準不適合率は約41%です。

令和3(2021)年の約51%、令和4(2022)年の約50%と比較すると減少傾向にありますが、それでも41%もの製品が「安全性に問題がある」ということは異常事態です。

輸入者としては、海外から電気用品を輸入する際に、製品の安全性を確認することが大切です。

そのためには電気用品安全法における「技術基準」を理解し、遵守することが求められています。

2. なぜ不適合になった?技術基準不適合の内容を詳しく

では、この41%が具体的にどのような内容で不適合になったのか、見ていきましょう。

※一つの機種で複数の不適合に該当する場合があるので、不適合数が機種数より多くなっています。

技術基準不適合項目不適合数割合
表示4322.63%
空間距離2312.11%
取扱説明書等2111.05%
部品・材料1910.00%
雑音の強さ1910.00%
形状・組立・操作178.95%
絶縁構造・性能168.42%
消費電力等の許容値115.79%
アース機構115.79%
過充電保護52.63%
平常温度21.05%
その他31.58%
合計190100.00%

グラフにするとこんな感じです。

(1) 「表示」に関する不適合が最多

最も多いのは「表示」に関する不適合です。
これは令和3(2021)年、令和4(2022)年に引き続き最も多い不適合項目となっています。

電気用品は「PSEマークを表示すればOK」という訳ではありません。
電気用品安全法では製品の種類ごとに表示すべき項目が決められています。例えば「定格電圧」や「定格消費電力」などです。

こういった項目の記載が漏れていた場合は不適合となります。

特に海外メーカーは日本の細かい表示ルールを把握していません。
「メーカー任せ」が最も危険なポイントです。

輸入者がきちんと確認することが求められています。

(2) 「部品・材料」の不適合が急増

令和3(2021)年令和4(2022)年と比較して不適合率が上昇しているのが「部品・材料」です。
令和5(2023)年の結果では、4番目に多い不適合となっています。

「技術基準」という安全性の基準で、部品や材料に関しての決まりごともあります。
例えば「熱を持つ部品は燃えにくいものにしてね」といったようなルールです。

この基準が守られていなかった場合「部品・材料」の不適合となるのです。

内部の細かい部品ひとつひとつを確認されるのを嫌がるメーカーもいるのが現状だとは思います。
ただ、安全性を確保するためには「技術基準に定められている部品・材料」なのかどうか確認することは輸入者の責務です。

製品を買ってくれる人、使ってくれる人の安全性を守るためにも、必ず確認しましょう。

(3) 「過充電保護」は改善傾向

一方で、モバイルバッテリー等の「過充電保護」に関する不適合は、昨年の11%から3%へと大幅に減少しました。

これは規制の浸透と事業者の意識向上の成果かもしれませんが、依然としてゼロではないため注意が必要です。

年度不適合件数不適合割合
令和3(2021)年19件9%
令和4(2022)年22件11%
令和5(2023)年5件3%

リチウムイオン電池を搭載するモバイルバッテリーなどの「過充電保護」に関する安全性は近年特に注目されています。

「過充電保護」って?

バッテリーや回路には通常、満充電に達した時点で自動的に充電を止める機能が、「過充電保護機能」 です。

リチウムイオン電池は、本来の容量を超えて充電を続けると 内部温度の上昇やガス発生につながり、最悪の場合は発火・爆発の危険があります。こういった危険を防ぐための機能が「過充電保護機能」なのです。

まとめ|輸入事業者の責務

経済産業省の試買テストは、電気用品が市場に出回った後も安全性が担保されているかを確認する重要な仕組みです。

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試買テストで分かるPSE製品の義務と違反リスク

近年の結果から見えてくるポイントは以下のとおりです

輸入者は要注意
  • 輸入品を中心に安全性に問題がある製品が目立つ
  • 技術基準不適合(安全性のルール違反)は「表示」に関するものが3年連続1位

電気用品安全法において「輸入者」は「製造者」と同等の責任を負います。

「輸入すれば終わり」ではなく、輸入前の技術基準適合・PSE表示の正確性・輸入後のフォローアップ体制までが輸入事業者の責任範囲です。

もし製品が原因で火災や事故が起きた場合、責任を問われるのは「海外メーカー」ではなく「輸入者」なのです。

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試買テストの結果からも、輸入品の安全確保は非常に難易度が高いことが分かります。

  • 「工場が大丈夫と言っている」
  • 「テストレポートがある」

それだけで進めるのは禁物です。必ず日本の基準を満たしているかどうか確認しましょう。

当事務所では、PSE対象製品の輸入に関してまるっとサポートしております。まずはお問い合わせください。

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輸出入専門特化型行政書士事務所の安田俊子(特定行政書士)です。 10年以上輸出入業務に携わってまいりました。輸出入関連許認可(食品、お酒、医療機器、化粧品、電気用品など)やEPAの活用を中心に、各種許認可・補助金申請を取り扱っております。お気軽にご相談ください。
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