はじめての電気用品輸入|電気用品安全法とPSEマーク取得に必要な手続きを行政書士がわかりやすく解説
ガジェット、電化製品、機械 など ―― 電気用品はとても便利なものですが、粗悪品は人に危険を及ぼすことがあり、品質の高さが求められる製品です。
品質が担保されていない製品がなんでもかんでも流通してしまうと危険なので、電気用品を製造したり輸入する事業者には「電気用品安全法」という法律を中心に、規制がかけられています。
電気用品はかなり幅広く、いろいろな製品が該当します。
家電製品のIoT化や新たな電気機器の登場により、あらゆるものが電気用品となる昨今、輸入ビジネスをする方にとって「電気用品安全法」の知識は必須です。
この法律を遵守することで、「安全な製品を販売する」という販売者としての義務を果たすことができるだけでなく、悪徳セラーに粗悪品をつかまされて自身のビジネスが失敗するリスクも低減することができます。
どうやって品質を担保するの?
それぞれの品目によって「技術基準」という基準が法律で定められています。

その基準を満たしているかどうかを確認し、確認ができたらPSEマークを輸入者が製品に表示するのです。
日本国内ではPSEマークがついていない電気用品は販売禁止となっています。お手持ちのパソコンのACアダプタや、モバイルバッテリーにPSEマークがついているはずです。ぜひ一度見てみてください。


具体的に何をしたらいい?
電気用品の輸入者がすべきことは次のとおりです。
輸入前にすること

- 事業者の届出(事業開始から30日以内)
- 輸入しようとしている品目が技術基準に適合しているかを確認
- (特定電気用品※の場合)適合性検査という第三者からの検査を受ける
※特定電気用品とは電気用品のなかでも特に危険なものとして法令で決められているものです。
GビズIDをお持ちの場合は、事業届はオンラインでも可能です。
事業届を行うためには、事前に製品の型式区分などを整理する必要があります。
技術基準の確認は品目ごとに基準が異なります。
取り扱う品目の機能や構造から、該当する基準を特定し、そこで求められる基準に適合しているかどうかを確かめます。

輸入のたびに毎回すること
電気用品は、輸入前の届出や確認だけでなく、輸入するたびに毎回全数検査が必要です。
この検査は「自主検査」と呼ばれていますが、任意のものではなく、法律で求められている「義務」となります。
そして検査後、所定のPSEマークを表示し販売する、という流れになります。

- 輸入後、毎回検査
- PSEマークの表示→販売
日本国内ではPSEマークがついていないものは販売禁止です。ですので輸入者がPSEマークを付ける必要があります。
PSEマークは日本独自のマークですので、海外製品にすでにPSEマークがついている、ということは原則あり得ません。
たまに、海外メーカー側でPSEマークをつけたものを販売していることがありますが、「本当に技術基準を満たしているのか?」は輸入者がきちんと精査しなくてはなりません。
輸入販売後にすること
輸入して販売したらおしまい、ではなく、検査記録を保管したり、製品の仕様や製造元(海外メーカー)などに変更があった場合は、届出が必要なこともあります。
また、万が一輸入した製品で事故があった場合は、事故対応も輸入者の責任です。
- 各種検査結果の保管
- 変更届出
- 法改正(技術基準の変更)への対応
- 事故・リコール対応 など

専門家の活用を
電気用品の輸入は、電気用品安全法や施行規則、省令や通達が分かっていないと実務上難しい部分がたくさんあります。
AIの進化に伴い、これから国内外でどんどん新しい家電・ガジェットが生まれてくると思われます。「これは絶対売れる!」という商品であっても、適切に法規制への対応ができないことで商機を逃してしまったり、思いがけない事故やトラブルに繋がることがあります。
一方、適切に対応できればビジネス拡大の大きなチャンスとなります。必要に応じて行政書士などの専門家を活用することも一つの選択肢です。
行政書士として、法規制対応をサポートさせていただくことに大きなやりがいを感じております。
「まったく分からない」「右も左もわからない」「どうしたらいいか困っている」という方も、ご相談だけでも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。
