試買テストで分かるPSE製品の義務と違反リスク

海外から電気用品を輸入して販売したいけれど、PSEマークや試買テストって何?
そんな疑問をお持ちの事業者様は少なくありません。
電気用品の輸入では、単にPSEマークを付ければよいのではなく、電気用品安全法に基づく義務を果たすことが必須です。
そして経済産業省は「試買テスト」という仕組みを通じて、市場に出回った電気用品の安全性を実際に購入してチェックしています。
この記事を読むことで、
- 「試買テストとは何か」
- 「輸入事業者が守るべきPSE輸入の義務」
- 「違反した場合のリスク」
を理解することができます。輸入を始めたばかりの方や、これから参入を検討する方にとって必見の内容です。
試買テストとは?その目的と仕組み
試買テストとは、経済産業省が市場に流通している電気用品を実際に購入し、電気用品安全法に基づく安全基準やPSEマークの表示が正しいかを確認する制度です。
一言でいうと、輸入者が法律を守って事業を行っているかどうかチェックする抜き打ちテストです。
チェックされるポイントは主に2つ:
- 技術基準に適合しているか(電気用品安全法第8条)
- PSEマークなどの表示が正しいか(電気用品安全法第10条)
この仕組みによって、輸入者がきちんと法令を守っているかどうかが確認されます。
実際に経済産業省が毎年公表している試買テストの最新結果については、こちらの記事で解説しています。

なぜ輸入者は試買テストを意識する必要があるのか
試買テストで不適合が見つかると、経産省から改善指導を受けるだけでなく、再発防止策や追加検査の実施を求められる場合があります。
つまり、輸入者がどんなに小規模でも、自分の製品が抜き打ちでテストされる可能性があるということです。
試買テストは「市場に出した後も安全性が維持されているか」を監視する仕組みであり、輸入者の責任は輸入した時点で終わらず、販売後も続いていきます。
PSE製品輸入における基本的な義務
試買テストの背景を理解するためには、まず輸入者の義務を押さえる必要があります。主なものは次のとおりです。
- 製造・輸入事業者としての届出(経産省への届出)
- 技術基準への適合確認(第三者検査機関での試験を含む)
- PSEマークの表示(適合した製品にのみ表示可能)
これらを怠ったまま輸入すると、試買テストでの不適合はもちろん、そもそも販売自体が違法になります。

試買テスト後に取られる対応と流通後規制
試買テストで不適合が発覚した場合、輸入者には以下のような対応が求められることがあります。
- 改善命令:輸入方法や表示方法の是正
- 表示の禁止命令:PSEマークを一時的に付けられなくなる(=製品を販売できなくなる)
- 危険防止命令:リコールや回収の実施
さらに、経産省やNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)は報告徴収や立入検査を行い、流通後の安全性を厳しくチェックします。
違反した場合の罰則
電気用品安全法に違反した場合には、以下のような重い処罰が科される可能性があります。
- 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(重大違反の場合)
- 30万円以下の罰金(報告義務違反や検査拒否など)
- 法人は最大1億円の罰金刑
試買テストを軽視した結果、思わぬ法的リスクを抱えることになりかねません。
まとめ:試買テストを理解し、安心して輸入を
試買テストは、電気用品の安全を守るための国の仕組みであり、輸入者にとって避けて通れないものです。
PSEマークを取得して輸入すれば終わり、ではなく、その後も安全性が確認される可能性があるという点を理解しておくことが大切です。
当事務所では、輸入の基本からPSE表示、届出、試買テスト後の対応まで一貫してサポートしています。
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