初めてでも分かる!食品を輸入販売するまでの流れをやさしく解説

海外の食品を輸入して販売してみたいけど、どんな手続きが必要なんだろう…
食品の輸入には、検疫所への届出や検査、税関での通関など、いくつものステップがあります。
ひとつずつの作業は難しくなくても、全体の流れが見えにくいため不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、初めて食品を輸入する方向けに、輸入から販売までの大まかな流れを分かりやすく解説します。
食品を輸入販売したいときの全体の流れ
食品の輸入は、出荷前に準備を整え、日本到着後に届出と検査を受け、その後に通関するという流れになります。
まずは、全体のステップを理解することがスムーズな輸入の第一歩です。

Step1: 輸入できるか確認する
まずは「その食品が日本に輸入できるか」を確認します。
成分や製法によっては輸入が禁止・制限されていることもあるためです。
- 医薬品扱いになるおそれ → 薬機法
- 食品の安全性全般 → 食品衛生法・食品安全基本法
- 植物に付着した病害虫 → 植物防疫法
- 肉・乳製品など動物性原料 → 家畜伝染病予防法 など
事前に確認しておかないと、日本に届いても税関で止まってしまい、最終的に輸入できないことがあるため注意が必要です。
Step2: 管轄検疫所に事前相談する
輸入可能と分かったら、厚生労働省 検疫所(食品監視課)に事前相談します。
- 初回輸入では、どんな検査(残留農薬・重金属・微生物など)が必要かを確認できる
- 事前相談は無料で、書類(原材料リスト・製造工程概要など)を持参して相談します

Step3: ラベルの作成
食品を輸入する場合、食品表示法で求められる表示が求められます。
表示自体は輸入後でも問題ありませんが、検疫所へ相談し、ある程度輸入の内容が固まったら、表示の内容もこの段階で確認しておくとスムーズに流通ができるかと思われます。
Step3: 貨物の発送
インボイスやパッキングリストを作成し、貨物の輸送を手配します。
航空便ならAWB(航空運送状)、船便ならB/L(船荷証券)が発行されます。
Step4: 食品等輸入届出
日本到着後、通関の前に厚生労働省(検疫所)へ「食品等輸入届出書」を提出します。
通関業者に依頼することもできますが、その場合は輸入者自身が情報を揃え、法令を確認して進める必要があります。
Step5: 検疫所での審査・検査
食品等輸入届出書を検疫所へ提出すると、検疫所で審査がされます。
審査後、検査が不要となれば次のステップへ進みます。
検査が必要ということになれば、次の3種類いずれかの検査がされます:
- モニタリング検査(国が計画に基づいて実施する検査)
- 命令検査(生産者の事情などから違反の恐れが高いと思われる場合に毎回実施)
- 自主検査(初回輸入時など、違反の可能性が高い場合)
審査・検査が完了すると、「食品等輸入届出済証」が発行されます。

Step6: 輸入通関
発行された「食品等輸入届出済証」をもとに、税関で輸入通関を行います。
このタイミングで関税・消費税を納める必要があります。
EPA税率などの低関税率を使用したい場合は、輸入通関までに原産地証明書を手配する必要があります。

届出が遅れたり書類に不備があると、港や空港で費用が発生する場合があります。
無駄なコストや時間をかけないためにも、スムーズな手続きが求められます。

Step7: 国内での検品
通関後、国内に流通する前に以下の対応を行います。
- 商品の外観・数量確認(輸送中に箱潰れが発生する場合も多いです)
- 食品表示法にもとづく表記(ラベル貼付など)
- 販売先へ納品
ここまで完了して、やっと販売を開始できます。
専門家の活用を
食品の輸入は大きな可能性のあるビジネスですが、関連法令が多く事務負担も大きいのが実情です。
当事務所では、法的専門職として以下のサポートを行っています。
- 関連法令との適否チェック
- 管轄検疫所への事前相談同行
- 食品表示法をはじめとする関連法令に基づくラベルデータ作成・発行・貼付サポート
- インボイス・パッキングリスト作成
- 輸送手配サポート
- 食品等輸入届出書の作成・提出
ご状況に合わせて柔軟にサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。
「初めてで右も左もわからないので、一から教えてほしい」
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