知らずに始めたら危険!輸入ビジネスの落とし穴と法規制
副業で「物販」や「せどり」をしている方の中には、次のステップとして「輸入ビジネス」にチャレンジしてみたいと考える方も多いのではないでしょうか。
確かに、うまくいけば利益率を大きく上げることも可能です。
しかし、行政書士の視点から見ると、輸入販売には多くの“許認可の壁”が存在します。
実は、国内転売よりも注意すべき法規制が非常に多いのです。
輸入ビジネスで注意すべき主な法規制
なんでもかんでも自由に輸入して販売ができてしまうと、国内で混乱や健康被害が起きる可能性があります。
そのため、品目によって、法律で規制されているものがあります。
ここでは、輸入・販売規制の対象となる代表的な7つの品目をご紹介します。
※ご紹介したものが全てではありません。実際に輸入する際は、必ず事前に法規制の有無を調査しましょう。
1) 植物全般
植物防疫法による規制があります。
土がついた植物だけではなく、インテリア用のドライフラワーや麦わら製品なども、場合によっては規制対象となる場合があるので、注意が必要です。

2) 食品・食器・子供用おもちゃの一部など
食品衛生法による規制があります。
口にいれる食品はもちろんですが、「食器」や「おもちゃ」も対象です。
これらが食品と同じ枠組みで規制されていることは意外と知られておらず、初心者が陥りやすい落とし穴です。

子供用おもちゃについては、後述の消費生活用製品安全法も確認が必要です。
3) 化粧品・美容機器・薬・サプリメントなど
薬機法(旧:薬事法)の規制があります。
粗悪品による健康被害が大きい分野でもあります。輸入ビジネスとして人気の分野ではありますが、厳しい手続きが必要だということも知っておく必要があります。

4) アルコール飲料
酒税法の規制があります。
輸入・輸出だけでなく販売にも許認可(免許)が必要です。

EC販売をするのか、飲食店に卸すのか、自分のレストランで提供するのか、などビジネス形態によって必要な免許の種類が異なります。
5) バッテリー、LEDランプなどの電気製品
電気用品安全法の規制があります。
輸入者が安全性を確認し、PSEマークを表示する義務があります。


6) レーザーポインターや子ども用おもちゃなど
消費生活用製品安全法の規制があります。
こちらも輸入者が安全性を確認し、PSCマークを表示する必要があります。

特に注意すべきなのが、2025年12月からの法改正対応です。

7) ドローン、Bluetooth機器など
電波法に対応する必要があります。
日本にはないユニークな海外ガジェットは魅力的ですが、日本の電波規格(技適)に適合していないものが多く見られます。

仕様を細かく確認し、技適マークの表示義務を果たすことも必須です。
なぜこれほど規制が多いのか?
代表的なものは上に挙げたとおりですが、これで全てではありません。品目によってさらに対応が必要な場合もあります。
なぜこれほどまでに規制が多いのかというと理由は一つ「安全性の確保」です。
粗悪品や基準を満たさない製品が市場に出回ると、事故や健康被害につながる可能性があるため、法律で厳格に規制されています。
法規制を無視したらどうなる?
規制を守らずに輸入販売を行うと、そもそも安全性が確認されていない危険なものを世に出すことと同じです。
万が一事故が発生すれば責任を問われますし、行政処分や罰則の対象となります。事業継続が難しくなるケースさえあります。
「知らなかった」では済まされず、これまで築き上げたビジネス全体が崩れるリスクもあるのです。
まとめ|迷ったときは専門家に相談を
輸入ビジネスには魅力もありますが、同時に法律の壁も存在します。
「これって大丈夫かな?」と不安に思ったときは、早めに専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、輸出入に関する許認可・法務サポートを行っております。お気軽にご相談ください。
